
ブロッコリーはビタミンCとカロテンが豊富で、栄養価の高い野菜です。最近では筋トレをしている人がよく食べている野菜というイメージがありますが、ブロッコリーは野菜の中ではたんぱく質も豊富だからなんです。
ブロッコリーを食べる際に、主に食するのは花蕾の部分です。花蕾は時間の経過とともに開き、黄色い花が見えてきますが、これはブロッコリーの栄養素が消費され減っている証拠です。
また、蕾の部分ばかりに注目しがちですが、茎の部分はより甘く、栄養も豊富なので捨てずに食べるようにしましょう。茎の皮が硬くて食べにくい事がありますが、皮をむいてから調理することで豊富な栄養を身体に取り込む事ができます。

結婚式の時に新郎から独身男性に向けて行われる「ブロッコリートス」は、ブロッコリーのたくさんの花蕾になぞらえて、子孫を繁栄して欲しいという願いが込められているそうですよ。
もくじ
ブロッコリーの種類

ブロッコリーの品種は世界で90種類以上あると言われていますが、市場に出た時にほとんどが「ブロッコリー」とだけ表示されるので、品種が少ないと思われています。収穫時期や花蕾の色合い、大きさなどで品種がわけられています。
茎ブロッコリー
花蕾と茎で別々の味わいが楽しめるブロッコリーです。茎の部分が長く、その食感はアスパラガスに似ています。栄養価の高い茎の部分も、適度な歯触りと柔らかさがあり、食べやすい点が特徴です。
「スティックセニョール」は代表種で、通年入手することが出来ますが、秋から初冬、春ごろに多く出回ります。小分けする手間が不要なので便利です。
スプラウトブロッコリー
ブロッコリーの芽が出てすぐに収穫したスプラウトの一種です。スプラウトとは、発芽直後の新芽で「発芽野菜」と呼ばれます。このスプラウトには、抗がん作用が期待できるスルフォラファンが成長したブロッコリーよりも多く含まれています。
発芽してすぐに収穫するため旬の時期はなく、カイワレ大根とは異なり、辛みがなく繊細な味わいです。サラダやパスタのトッピングとして生食で食べるのがおすすめです。
栄養と効能

- エネルギー:33kcal
- 水分:89.0g
- たんぱく質:4.3g
- 炭水化物:5.2g
<無機質>
- カリウム:360㎎
- カルシウム:38㎎
- 鉄:1.0㎎
<ビタミン>
- A(β-カロテン当量):810μg
- B1:0.14㎎
- B2:0.20㎎
- 葉酸:210μg
- パントテン酸:1.12㎎
- C:120㎎
食物繊維総量:4.4g
ブロッコリーは抗がん作用が高いと注目されるアブラナ科の野菜の一つで、抗酸化作用をもつβ-カロテンとビタミンCが豊富です。更に抗酸化作用と解毒作用に期待できる「スルフォラファン」が含まれているため、ガンや生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
他にも利尿作用をもつカリウム、整腸作用のある食物繊維、造血ビタミンといわれ貧血予防効果をもつ葉酸など、健康に役立つ成分が豊富に含まれた魅力的な野菜です。
選び方・保存方法
ブロッコリーを選ぶ時は花蕾が密集していて、粒の大きさがそろい、濃い緑色のものが良品といわれています。また、茎が変色せず、裏返したときの切り口に空洞が無いものを選ぶようにしましょう。外の葉が付いている時は、しおれていないものが新鮮な証拠です。
ブロッコリーは収穫されてからも、蕾を開こうとして時間と共に栄養素を消費しています。0~5度で保存すると、蕾を開かせようとしなくなるので栄養素を保つことが出来ます。使いきれない時は固ゆでをして、房ごと小分けにし冷凍保存しましょう。
食べ方のポイント

新鮮なブロッコリーは花蕾が密集して洗いにくいので、たっぷりの水につけて振り洗いをしてください。花蕾にはゴミや虫、残留農薬などが残りやすいので、塩水を張ったボールに浸してから流水ですすぐことで除去しやすくなります。
固ゆでをしておくと、保存・調理どちらも便利ですが、ビタミンCは水に溶けやすいので、ゆですぎには注意が必要です。ゆでる際には水にさらさずザルに上げる事で、水気がよく切れ甘みを逃がさない効果があります。
冷水にさらすことでやや水っぽくなったり、ビタミンCを流出しやすくなります。また、茎の根元に切れ目を入れたり、最初から一口大に切ってからゆでる事で、茹で時間を短縮でき、栄養素の流出も最小限に抑える事が可能です。
栄養素の流出をなるべく防ぎたい場合は、ゆでるのではなく電子レンジ調理がおすすめです。他にも、ゆで汁も一緒に摂取できるスープなどの汁ものにしたり、少量の水で蒸すなど、栄養素をなるべく多く摂取できるように工夫してみてください。
まとめ
いかがでしたか?ブロッコリーはさまざまな栄養素が豊富に含まれている魅力的な野菜です。少量ずつ冷凍しておけば、料理にも取り入れやすくなるので、健康や美容の為にも、毎日少しずつ食べるなど、意識してみてくださいね。

ブロッコリーはたんぱく質も含んでいる野菜ですが、他の動物性たんぱく質食材と組み合わせる事で、良質なたんぱく質指標である「アミノ酸スコア」が向上します。
また、ブロッコリーのビタミンCと動物性たんぱく質を組み合わせることで免疫力の強化にもつながるので、ぜひ一緒に摂ってみてください。

学名:Brassica oleracea var.italica
分類:アブラナ科アブラナ属
原産地:地中海東部
旬の季節:11~3月