抜群の栄養価をもつほうれんそうは、日本人にはおなじみの野菜の一つですね。おひたしやみそ汁、炒め物など、いろいろな調理方法で料理に取り入れやすいですよ。
ほうれん草は、緑黄色野菜の中でも非常に栄養価が高く、調理法も多種多様にあるので、日々の食事に積極的に取り入れたい野菜の一つです。通年で購入することが出来る定番の野菜ですが、旬の冬の時期は栄養分がアップして甘みも増します。
主な産地は千葉県や埼玉県、群馬県など、関東地方で作られる割合が多いですが、全国各地で生産されています。世界的にもヨーロッパやアメリカを中心に消費されている野菜です。
もくじ
ほうれん草の種類
ほうれん草には東洋種と西洋種があり、それぞれに特徴があります。東洋種には葉の切れ込みが深く甘みがあるため、おひたしや和え物に向いています。
西洋種は丸みを帯びていて葉に厚みがあるので、アクが強い分ほうれん草の濃い味わいを楽しむ事ができます。その為、ソテーやオーブン料理などがおすすめです。
ちぢみほうれん草
露地栽培されたほうれん草は、寒さに耐えるために葉に厚みが出ます。品種の違いではなく、栽培方法の違いで、濃厚なほうれん草の味を堪能することが出来ます。
12~2月が旬で、通常のほうれん草よりも葉が肉厚でうまみと甘さがありますが、アクが強いので下ゆでしたものを調理するようにしましょう。
サラダほうれん草
生のまま食べれるように、品種改良されたほうれん草です。茎は細くてやわらかく、ふわりとした食感の葉が特徴的です。11~1月にかけて旬を迎え、アクが少なくクセのない風味の為、サラダなど生食で食べる方法がおすすめです。
山形赤根ほうれん草
山形の在来種で、貴重な東洋種の一つです。赤く色づいた根はとても甘く、メロンやブドウ並みの糖度をもっています。耐寒性・耐雪性が強く、柔らかくアクも少ないほうれん草なので、シンプルにおひたしなどの食べ方に向いています。
栄養と効能
- エネルギー:20kcal
- 水分:92.4g
<無機質>
- ナトリウム:16㎎
- カリウム:690㎎
- カルシウム:49㎎
- マグネシウム:69㎎
- 鉄:2.0㎎
- 亜鉛:0.7㎎
<ビタミン>
- A(β-カロテン当量):4,200μg
- K:270μg
- B2:0.20㎎
- 葉酸:210μg
- C:35㎎
食物繊維総量:2.8g
緑黄色野菜の中でも抜群の栄養価を誇るほうれん草には、造血ビタミンと呼ばれる葉酸や、血液をつくり出す鉄分が豊富に含まれているので貧血の予防に役立ちます。
さらに、カルシウムの骨への沈着を助け、骨や歯を強化するビタミンK、抗酸化作用の効果が期待できるβ-カロテン、多種多様なミネラル類など様々な栄養素が含まれている機能的な野菜です。
選び方・保存方法
ほうれん草を選ぶ際は、茎が太く、葉にハリと厚みがあり、みずみずしい濃い緑色のものを選ぶようにしましょう。
葉先が乾燥しないように濡らした新聞紙で包み、ビニール袋に入れ冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。長持ちさせたい場合は、固ゆでをして、水気を切ってから、手ごろなサイズに切って冷凍保存する事も可能です。
食べ方のポイント
根元の赤い部分は、骨の形成に重要なマンガンが豊富で、甘みもあるので捨てずに調理するようにしましょう。根元の部分には、砂や土が残りやすいので、ボウルに水を張り、茎を広げて根元の土を指でしっかり洗った後、葉を流水で洗うようにします。
ほうれん草は生のまま使うとアクが残ってしまうので、下ゆでしたものを使うようにします。下ゆでする際は熱湯に入れ、ビタミンCが流出しないよう短時間でゆで上げる事がポイントです。冷水につける時間も短めにし、熱くなくなったらすぐに絞るようにしてください。
下ゆでをしたものや油を使って調理したものは、ほうれん草のえぐみを感じなくなりますが、気になる方はじゃこなどのカルシウムを含む食材と組み合わせることで更に抑える事ができます。
ほうれん草に含まれるシュウ酸は「アク」と呼ばれ、「えぐみ」の原因です。シュウ酸は生で大量に摂らない限り身体に害はないものの、そのまま調理すると美味しく仕上がりません。
また、シュウ酸は体内でカルシウムと結合し、結石となって健康に悪影響を及ぼす場合があるため、結石をつくりやすい体質の人は、摂取量に注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?ほうれん草は栄養満点で、料理にも取り入れやすい野菜です。下ゆでをして冷凍保存しておくことで、忙しく調理する時間がない時でも、みそ汁や炒め物にちょっと加えるなど、簡単に取り入れやすくなります。
ほうれん草のもつ栄養素は貧血予防や、生活習慣病予防だけでなく、肌の老化を防ぐという女性にはうれしい美容効果なども期待できる野菜なので、毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう。
ほうれん草には体内の異物を取り除き、免疫細胞を活性化する作用がありますが、ゴマと一緒に摂取することで効果が高まります。おひたしの上にごまをかけたり、胡麻和えにするなど、一緒に摂取できるようにしてくださいね。
学名:Spinacia oleracea
分類:アカザ科ホウレンソウ属
原産地:西アジア
旬の季節:11~1月