
元々は鍋野菜として使われていた水菜ですが、最近ではサラダや生春巻きなど生で食べる料理にも使われるようになりました。水菜は京菜と呼ばれる京野菜の一つなんですよ。
京菜とも呼ばれる水菜は、独特のピリッとした辛味が魅力の京野菜の一つです。鍋物や煮物、サラダ、和え物など幅広い料理に使う事ができ、加熱しても、生のままでも美味しい野菜です。
京都府が発祥の野菜ですが、生産は全国に定着しており、茨城県や福岡県などで多く栽培されています。
もくじ
水菜(みずな)の種類

葉の形から柊菜と呼ばれたり、細い葉柄がたくさん伸びる事から千筋菜と呼ばれることもあります。かつて関東では、茎の幅が広く、葉の色が濃い緑色の広茎京菜が栽培されていましたが、現在は販売所などで少数みられる希少価値の高いものとなっています。
壬生菜(みぶな)
水菜の仲間で、京都府を中心に滋賀県や奈良県でも栽培されている品種です。葉の形状が異なっており、水菜の葉先がギザギザなのに対して、壬生菜は細長く、丸い形をしています。茎も青々として、太い傾向にあります。
露地栽培が中心で、1~2月にかけて旬を迎え、水菜よりも香りと強みが強いので、サラダなど生で食べる時は、軽くゆでておくことで辛味が和らぎます。
赤水菜
葉の形や大きさなどは一般的な水菜と変わりませんが、茎が紫色で、色鮮やかな点が特徴です。茹でると紫色がほんのりと残り、酢を使うと赤く発色するので、浅漬けなどにすると色味を生かすことが出来ます。12~3月にかけて旬を迎えます。
栄養と効能

- エネルギー:23kcal
- 水分:91.4g
<無機質>
- ナトリウム:36㎎
- カリウム:480㎎
- カルシウム:210㎎
- リン:64㎎
- 鉄:2.1㎎
<ビタミン>
- A(β-カロテン当量):1,300μg
- B1:0.08㎎
- B2:0.15㎎
- B6:0.18㎎
- 葉酸:140μg
- C:55㎎
食物繊維総量:3.0g
水菜に豊富に含まれているクロロフィルには、体内の細胞や血液を酸化させる有害物質を解毒する作用があり、造血効果も期待できます。
複合的なポリフェノールには、傷ついた肌細胞を修復する働きを持ち、ビタミンC・E・食物繊維も多いので美肌つくりに有効な野菜です。また、カルシウムも含まれているので、骨の健康維持にも役立ちます。

ほうれん草などに含まれるビタミンKはカルシウムを骨に沈着する事を助ける働きをして、骨粗鬆症の予防も期待できます。お互いに栄養価の高い食材なので、積極的に食べるようにしましょう。
選び方・保存方法
水菜を選ぶ時は、葉の緑色が鮮やかで濃く、肉厚で先までピンとまっすぐなものを選ぶようにしましょう。茎にツヤがあり、根元が変色していないかを確認しましょう。
水耕栽培のものは株が小さく味も薄めです。露地栽培のものは茎がしっかりしていて全体的に量感があり、風味が強いものが多いです。
保存するときは、葉先を乾燥から守るために、濡らした新聞紙などで包み、ビニール袋などに入れて保存します。寝かせて保存すると、茎が曲がって傷みやすくなるので、出来るだけ立てた状態で冷蔵庫の野菜室へ入れてください。また、水菜の食感が失われてしまう為、冷蔵保存は適しません。
食べ方のポイント

水菜は水溶性ビタミンを豊富に含んでいるので、生食がおすすめです。旬の露地栽培のものをサラダなど、生のまま食べる時は、刻んでから軽く塩もみをして少ししんなりさせると口当たりが良くなります。油を使ったドレッシングを絡める事で、カロテンの吸収を高める事ができます。
生食すると辛味がありますが、軽くゆでるとマイルドな味わいになり食べやすくなります。鍋に入れる際は、シャキシャキ感を残すため、加熱しすぎに注意して、水溶性ビタミンも摂取できるように出汁も一緒に食すようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?水菜は美肌づくりや整腸効果、造血効果による貧血予防など、女性に嬉しい栄養素が豊富な野菜です。鍋やサラダで使われることが多いですが、水菜特有の香りは肉や魚の臭みを抑える働きにも期待できるので、和食や洋食などさまざまな料理に使ってみてください。
漬物にしたり、肉や魚と一緒にバターやオリーブオイルで炒める、生のまま生春巻きにするなどアレンジすることで料理の幅が広がりますよ。

以前は鯨肉を使った「ハリハリ鍋」ですが、現代では豚肉や鴨肉と水菜を昆布だしの鍋に入れ、煮立ったものをポン酢で食べる鍋料理。水菜のシャキシャキ感とお肉の味わいが生かされていて、簡単なのにとても美味しいのでおすすめです。

学名:Brassica rapa var. nipposinica
分類:アブラナ科アブラナ属
原産地:日本
旬の季節:12~3月