かぶは白い部分だけを食べる方も多いですが、葉は緑黄色野菜に分類され栄養価が高いので、捨てずに食べる事で無駄なく栄養を摂ることが出来ますよ。
かぶは、実が淡色野菜、葉は緑黄色野菜に分類される野菜です。歴史は古く、日本では平安時代の頃から食べられてきた野菜の一つで、「かぶら」や「かぶな」と呼ばれ、全国で親しまれています。
主な産地は千葉県と埼玉県ですが、品種が非常に多く、全国各地で栽培されています。「すずな」とも呼ばれる、春の七草のひとつです。
もくじ
かぶの種類
根が大きなものが大かぶ、根が小さなものが小かぶとも呼ばれ、表皮が赤い赤かぶなど様々な種類があります。また、全国各地で栽培されているため、京野菜の聖護院かぶらなど、地方固有の品種が特産品になっているものもあります。
聖護院かぶら
4kgを超える事もある大型のかぶで、京都の伝統野菜です。千枚漬けなどの漬物に使われることが多いですが、蒸したものや塩でもんで和え物にしても美味しく食べる事ができます。11~1月にかけて旬を迎え、果肉がやわらかくほんのり甘さがあります。
日野菜(ひのな)
滋賀県にある日野町が発祥の伝統野菜です。細長い大根の様な形状で、紫がかった根が特徴的。10~12月にかけて旬を迎え、少し苦味を感じパリッとした食感が魅力的です。漬物にすることで紫の葉の色合いが引き立ちます。
黄かぶ
皮が黄色く、主にヨーロッパで栽培されています。少量が輸入されているほか、直売所で見かける程度しか出回っていないので、日本ではまだ馴染みが薄い品種です。直径8~10㎝程の中かぶで、果肉はクリーム色に近い黄色をしています。
風味にクセはあるものの、加熱するとホクホクした食感になり、肉質が緻密で少し硬く煮崩れしにくいのでスープ煮などにおすすめです。
万木(ゆるぎ)かぶ
滋賀県西万木地方で古くから栽培されている赤かぶです。直径10㎝ほどの丸い形で、皮は鮮やかな紅色をしていますが、中身の果肉は白色です。程よいかたさで歯ごたえが良いので漬物に最適で、地元では主にぬか漬けや甘酢漬けなどに加工されています。
栄養と効能
- エネルギー:20kcal
- 水分:93.9g
- たんぱく質:0.7g
- 炭水化物:4.6g
- 灰分:0.6g
<無機質>
- ナトリウム:5mg
- カリウム:280㎎
- カルシウム:24mg
- リン:28㎎
- 鉄:0.3㎎
- 亜鉛:0.1㎎
<ビタミン>
- ビタミンB1:0.03㎎
- ビタミンB2:0.03㎎
- C:19㎎
食物繊維総量:1.5g
葉と実のどちらにも、発がん性物質を取り除く酵素の生成を助けるグルコシノレートという成分が含まれています。白い実の部分には大根と同様に消化酵素のジアスターゼが含まれているので、胃もたれや胸やけなどの改善に効果が期待できます。
葉の部分には栄養素が豊富に含まれていて、皮膚や粘膜を強化するβ-カロテンや、免疫力を高めるビタミンC、歯や骨を強化するカルシウムなどを含みます。
選び方・保存方法
かぶを選ぶ時は実にハリとツヤがあって傷が少なく、ひげ根の少ないものを選びましょう。ずっしりと重みのあるものは水分が豊富で良品です。葉は緑が鮮やかでみずみずしくピンとしているものにしましょう。
そのままにしておくと葉に水分が集まりすぐに傷んでしまうので、根元で切って実と葉を別々に保存します。実はビニール袋に入れて、葉はぬれた新聞紙などで包み、どちらも冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。
食べ方のポイント
かぶは品種によって味わいが多少異なり、大型のものは千枚漬けなどに用いられますが、実は甘味が強いので生食できる野菜です。大きく切ったものに味噌をつけて食べたり、小さく切ってサラダに加えると、コリっとした食感を楽しむ事ができます。
加熱することで柔らかくなるので煮物やスープにも向いていますが、特に小さいものは煮崩れしやすいので調理時は注意が必要です。葉は大根に比べ柔らかいものの苦みがあるので、軽くゆでてあく抜きをし、おひたしや和え物などにすると美味しく食べる事ができます。
まとめ
いかがでしたか?かぶは生食や漬物、スープや煮物、炒め物など幅広い調理法で食すことが出来る野菜です。調理方法によって、食感や甘味が変化するので、色々な料理で使ってみてください。
また、葉は油炒めなど、油脂と組み合わせる事でカロテンの吸収率を高める事ができますよ。
キャベツと組み合わせる事で、かぶのもつアミラーゼとキャベツのビタミンUの相乗効果で胃腸を活性化し消化機能の改善に効果が期待できますよ。
学名:Brassica campestris
分類:アブラナ科アブラナ属
原産地:中央アジア/ヨーロッパ西南部
旬の季節:11~1月