3大栄養素に、身体の調子を整える「ビタミン」と、骨や歯などの組織をつくる「ミネラル」の2つの微量栄養素を加えて5大栄養素と呼びます。体内で作ることが出来ない、あるいは十分な量をつくり出すことが出来ない為、野菜や果物などの食品から摂取する必要があります。

ビタミン
ビタミンは糖質、脂質、たんぱく質などの代謝をサポートし、生理機能を調節・維持する働きがあります。体内では充分に合成されないため、食事から摂取する必要があり、不足することで欠乏症が起こります。
ビタミンは全部で13種類あり、4種の脂溶性と9種の水溶性に大きく分けられます。脂溶性ビタミンは摂り過ぎると体内に蓄積され、過剰症を起こす場合があるので、サプリメントなどの摂取には注意が必要です。また、水溶性ビタミンは過剰に摂取しても体外に排出されてしまうので、過剰症は起こりにくいのが特徴です。
脂溶性ビタミン
ビタミンA・D・E・Kの4種のビタミンは脂溶性の為、炒め物やドレッシングをかけるなど、油脂と一緒に摂取することで吸収力が高まります。油脂を使った調理法や、脂肪を含む食材と組み合わせるなど工夫して効率よく摂取してください。
ビタミンA
ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれるカロテノイド(β-カロテンなど)があります。ニンジンやモロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変わります。
目や皮膚、粘膜などの健康を保ち感染症を防ぐほか、β-カロテンには老化やがんの予防に有効な抗酸化作用もあります。
1日の基準摂取量は、30~49歳の場合、男性で850μgRE、女性で700μgREで、不足すると感染症にかかりやすくなったり夜盲症になる可能性があります。また、摂り過ぎる事で頭痛や嘔吐の症状が起こる場合があります。
ビタミンD
きのこなどに多く含まれるビタミンDは、食事から摂取するほか、皮膚にあるコレステロールの一種が紫外線に当たる事でも生成されます。カルシウムの吸収を高めたり、カルシウムが骨に沈着するのをサポートし、骨を丈夫にします。また、血中のカルシウム濃度を調整する働きもおこなっています。
1日の基準摂取量は30~49歳の場合、男女ともに5.5μgで、不足すると子供はくる病、成人は骨軟化症の発症や、骨粗鬆症のリスクが高まります。また、摂り過ぎる事で高カルシウム血症や腎障害などが起こる場合があります。
ビタミンE
アーモンドなどの種実、魚介類、緑黄色野菜、油脂などに多く含まれるビタミンEは、細胞膜に多く存在しています。強い抗酸化作用を持っているため、過酸化脂質の生成を防ぎ、細胞の老化防止に働くほか、毛細血管を広げて血行を良くする働きも期待できます。

1日の基準摂取量は男性で7.0㎎、女性で6.5㎎で不足すると溶血性貧血、動脈硬化などの生活習慣病や老化のリスクを高めます。過剰症は起きにくいですが、摂り過ぎると出血の危険性が高まります。
また、ビタミンAやCと一緒に摂ることで抗酸化力がアップしますが、ビタミンEが豊富な植物油は酸化しやすいので早めに使い切るようにしましょう。
ビタミンK
モロヘイヤやあしたばなどの緑色の野菜や、大豆製品、海藻などに多く含まれるビタミンKには、血液凝固作用をもつたんぱく質を合成するときに補酵素として働く「止血ビタミン」といわれています。カルシウムの骨への沈着もサポートしています。
1日の基準摂取量は男性で75μg、女性は65μgで、腸内細菌によって体内でも生成されているため欠乏症は起こりにくい栄養素ですが、抗生物質の長期服用や肝障害などがあると欠乏しやすく血液凝固に時間がかかります。
水溶性ビタミン
水溶性の栄養素は、洗ったり浸したりすることで成分が溶出しやすくなります。切断面が大きいほど流出しやすいので、野菜などは切る前によく洗い、切ったら水になるべくさらさないようにしましょう。
また、ゆでる事で成分が流出する為、アクの少ない野菜は電子レンジを使う、少量の水で短時間でゆでる、煮汁も一緒に摂取できるようなスープなどのメニューにするなど、栄養損失を出来るだけ減らせるように下ごしらえや調理法を工夫することが大切です。
ビタミンB1
豚肉や魚介、種実、穀類、豆などに含まれるビタミンB1は、ご飯などの糖質が分解され、エネルギーになるときの補酵素として働きます。その働きにより、神経機能をコントロールする脳にエネルギーが供給され、機能が維持されています。
1日の基準摂取量は男性で1.4㎎、女性は1.1㎎で、不足すると疲れやすくなったり、脚気やウェルニッケ脳症などの欠乏症が起こります。にんにくに含まれるアリシンや、ネギやニラなどに含まれる硫化アリルを多く含む食品と一緒に摂ることで、ビタミンB1の吸収を促す働きがあるため効果的です。
ビタミンB2
レバーや魚介、卵や乳製品などに含まれるビタミンB2は、三大栄養素が分解されてエネルギーに変わるときの補酵素として働きます。特に脂質の代謝に深くかかわり、たんぱく質の合成をサポートし、皮膚や毛髪の新生を促すほか、体内の有害な過酸化脂質を分解し蓄積を防ぎます。
1日の基準摂取量は男性で1.6mg、女性は1.2㎎で、不足すると口角炎や口唇炎、舌炎、成長障害(小児)などを引き起こします。排出されるため、過剰症の心配はなく、ビタミンB2が豊富な牛乳や納豆はそのまま食べられるので調理による栄養損失なく摂取することが出来ます。
ナイアシン
魚介や肉などに含まれるナイアシンはビタミンB群の一種で、体内でもアミノ酸のトリプトファンから合成されます。糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える時に働く補酵素で、アルコールの分解もサポートしています。
1日の基準摂取量は男性で15㎎NE、女性は12mgNEで、慢性的に不足するとペラグラ(皮膚炎や下痢)になります。ナイアシンの体内合成にはそのほかのビタミンB群の作用が必要な為、一緒に摂取することで合成されやすくなりますが、摂り過ぎると下痢や便秘などの消化器症状、肝機能障害などが起こる場合があります。
ビタミンB6
魚介や肉、野菜、種実などに含まれるビタミンB6は、摂取したたんぱく質がアミノ酸に分解され、体内のたんぱく質に再合成されるときの補酵素です。必要に応じて、たんぱく質がエネルギー源になる時も働きます。また、神経伝達物質や赤血球の合成など様々な反応に関わっています。
1日の基準摂取量は男性で1.4㎎、女性は1.1㎎で、不足すると神経障害や皮膚炎などになる場合がありますが、通常の食事をしていれば欠乏する事は少ない成分です。植物性食品よりも魚介や肉などの動物性食品から摂取したほうが、体内での利用率が高いと言われていますが、一度に大量に摂取した場合などは感覚神経障害を起こす危険性があります。
ビタミンB12
レバーや魚介などの動物性食品に含まれるビタミンB12は、ヘモグロビンの合成に関わり、葉酸と共に正常な赤血球をつくっています。また、神経細胞内の核酸やたんぱく質の合成を助け、神経細胞の機能を維持します。
1日の基準摂取量は男女ともに2.4μgで、不足すると悪性貧血や神経障害、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高めます。熱には安定していますが、光に弱く酸化しやすいので、しっかり包んだり密閉保存にすることが大切です。
葉酸
レバーや野菜、豆や果物などに含まれている葉酸は、赤血球の元になる赤芽球の生成に関わり、ビタミンB12と共に貧血予防に働きます。また、細胞の新生にも関わり、胎児の健全な発育に重要な役割を担うので、妊娠の前後では充分な摂取が必要になります。

1日の基準摂取量は男女ともに240μgで、通常は不足しないが巨赤芽球性貧血、胎児に神経管閉鎖障害(妊娠初期)が起こる場合があります。光や熱に弱く酸化しやすいので、長期保存は避けるようにしましょう。水に溶けやすい成分の為、炒め物や蒸し物、スープなどで摂取するのがおすすめです。
パントテン酸
魚介や肉、野菜、きのこなどに含まれているパントテン酸は、体内でコエンザイムAの構成成分となり、三大栄養素、特に脂質や糖質のエネルギー代謝の過程で様々な酵素をサポートします。また、副腎の働きを支えて、ホルモンの合成にも関わっています。
1日の基準摂取量は男女ともに5m、さまざまな食品に含まれているので、欠乏症はほとんどみられません。水溶性で鶏肉やキノコに多く含まれているため、鶏ガラやシイタケの出し汁にはパントテン酸が溶出しています。
ビオチン
レバーや卵、豆などに含まれるビオチンは、カルボキシラーゼという酵素が働く時に必要で、糖質やたんぱく質、脂質の代謝に関わります。皮膚の炎症を予防する成分として研究が始まり、アトピー性皮膚炎の解消効果が期待されています。
1日の基準摂取量は男女ともに50μgで、食品に幅広く含まれているので欠乏症は見られませんが、不足した場合は皮膚炎の症状が出ます。ビオチンは熱に比較的安定しているため、調理をしても損失が少ない栄養素です。
ビタミンC
野菜や果物、イモ類などに含まれるビタミンCは、たんぱく質の一種であるコラーゲンの合成に関わります。強い抗酸化作用を持っていて、ビタミンEと一緒に働くことで相乗効果が期待できます。また、ホルモンの合成や鉄の吸収促進、メラニン色素の沈着防止などの働きも行います。
1日の基準摂取量は男女ともに100㎎で、不足すると毛細血管の結合組織が弱くなり血が止まらなくなる壊血病が起こります。酸化されやすく、保存中や調理中の損失が大きいので、新鮮な食材を手早く調理する事が大切です。















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