脂質の働きと油の種類を理解して、美容と健康に良いアブラを選ぼう

  • 脂質は悪者ではない
  • 体内での脂質の働きと必要性が分かる
  • アブラには身体に良いアブラと、悪いアブラがある
aco

アブラというと良いイメージよりも悪いイメージが強い人の方が多いですよね?

茶々

確かにお肉とかは、脂身が多いものより少ないものの方が健康的なイメージがあるにゃ~

aco

そうですね。お肉ってたくさん食べると太るとか、コレステロール値が上がるから健康に悪いというイメージが強いですが、実はお肉の脂質は体内で様々な重要な働きをしているんですよ。

あなたはお肉って好きですか?好きだけどカロリーが高いから、低脂肪で脂身の少ない鶏むね肉や牛ヒレ肉などの部位を選んだり、脂身を取り除いて調理していたりしませんか?今までダイエットや健康の為にお肉を避けていたかもしれませんが、お肉には3代栄養素の脂質が含まれていて身体で様々な働きをしています。

今回はそんな脂質の働きと、健康の為に摂りたいアブラと避けるべき油のお話しをしていきます。

aco

健康な身体を維持する為にアブラは絶対に必要ですが、どんな油でも良いわけではありません。油の中には健康に害があるものもあるので注意が必要ですよ。

体内での脂質の働き

ステーキや焼き肉など脂の多い食べ物は太るし、健康にも悪いからお肉はあまり食べない、脂身は取り除くという方もいらっしゃいます。確かに動物性脂肪は摂りすぎるとコレステロール値が上がったり、中性脂肪が増えるので、肥満や動脈硬化・心臓病などの生活習慣病の原因になると言われてきました。ですが近年では脂質よりも炭水化物の方が中性脂肪を体内に溜め込み、肥満の原因になると言われています。脂質は悪いイメージが強いですが、実は体内では健康や美容の為に重要な働きを行っています。

脂質は細胞膜の材料になる

体内での脂質の一番の役割は、全身におよそ60兆個ある細胞の細胞膜の材料になっています。細胞膜は字の通り細胞を包んでいる二重の薄い膜の事で、この膜の主な成分はリン脂質糖脂質コレステロールです。その為、脂質が無いと、体内で細胞を形成する事が出来なくなってしまいます

aco

コレステロールは身体に悪いというイメージが強いですが、細胞膜の成分だけでなく、ホルモンの材料や脂肪消化に不可欠な胆汁酸をつくるなど様々な働きを行っています。

脳や神経を正常に働かせる

脳が正常に働くためには、リン脂質をはじめ、アラキドン酸、DHA、EPAなどの脂質の存在が欠かせません。神経細胞は電気を通して情報伝達をおこなっていて、脂質が神経細胞の周りを包み絶縁膜の役割を果たしているため、脂質が不足する事で、漏電が起こり記憶障害やうつ病の原因になります。

髪や肌の健康を保つ

髪の毛や肌などを作っている主成分はたんぱく質ですが、表面をコートしているのは皮脂膜です。この皮脂膜は水分と油分で出来ており、油分にはコレステロールリン脂質などが含まれています。これらが乳化されることで、皮膚や髪の毛の表面を保護して艶とハリを保つことが出来ます。その為、脂質が不足してしまう事で乾燥してしまい、パサパサの髪の毛やカサカサの肌状態になってしまいます

体温を維持し内臓を守る

皮下脂肪や内臓脂肪に代表される体脂肪は、生命維持に欠かせない成分です。エネルギー源になる事はもちろんですが、体温を保ち、クッション材として内臓を外部の衝撃から守る働きを持っています。炭水化物の摂りすぎで、過剰に増えた体脂肪は、生活習慣病の原因になるので要注意ですが、体脂肪が少なすぎると、体温が保てなくなり、血行が悪くなることで免疫力も低下してしまうので注意が必要です。

体内には、身体の中に蓄積された「体脂肪」と血液中を流れている「血中脂肪」の2種類が存在します。体脂肪にはお腹周りにつく「皮下脂肪」と内臓回りにつく「内臓脂肪」に分けられ、備蓄用エネルギーとして溜められているが、必要以上に蓄積されると「肥満」になります。

ホルモンや血液のもとになる

ホルモンは身体の中で色々な情報を伝え合う物質で、100種類以上あると言われています。それぞれに異なる働きをおこなっていて、消化吸収や呼吸、免疫、代謝などの身体の調整作用をおこなっています。そのホルモンや、栄養を全身に運ぶ血液の原料となっているのが脂質です。そのため脂質が不足してしまうとホルモンバランスや体調を崩す原因になってしまいます。

細胞同士の結合を促す

リン脂質と同じ複合脂質の仲間の糖脂質は、糖質とリン脂質が結合したものです。そのほとんどは脳に存在していて、細胞同士の認識や結合などをおこなっています。要は、糖脂質が存在する事で、皮膚や脳、内臓にそれぞれ存在する細胞の認識がおこなわれ、活性化して元気な身体を保つことが出来ます。

エネルギー源として使われる

身体の中で使われるエネルギー源は糖質・たんぱく質・脂質の3大栄養素と言われる3種類です。脂質は身体の中での貯蔵量が最も多く、脂質のほとんどは体内の脂肪細胞に蓄えられ、脂肪酸に分解、血液に放出され、筋肉に取り込まれてからエネルギーの為に用いられます。

いつものアブラは大丈夫?

脂質が身体に必要な事は上記でお伝えしましたので、普段調理などで使っているアブラについても理解しておくことが大切です。料理に普段使っている食用油脂には、バターやラードなど動物の脂肪や乳から油分を抽出または分離して精製した動物性脂肪、サラダ油やオリーブ油など麦芽や種子、果肉から抽出し精製した植物性脂肪、そしてそれらを加工した加工油脂に分けられます。また、脂質には「油」と「脂」があり、常温で液体状のものが「油」、脂身など常温で個体のものが「脂」で、融点の違いによって分けられています。

バター

牛乳を原料とし、乳中の脂肪分を凝固させて作る食用油脂がバターです。乳製品の一つで、常温では黄色味を帯びた白色の個体が特徴です。動物性油脂で飽和脂肪酸に分類され、動物性油脂の代表格として植物性油脂よりも安全な脂です。バターには原料乳を乳酸発酵させてからつくる発酵バターと、そのままつくる無発酵バターがあり、それらに食塩を添加した有塩バターと添加しない無塩バターの4種類に分けられます。

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最近はガーリックやハーブなどフレーバーが付いているバターも出ていますが、人工的なフレーバーにはトランス脂肪酸が含まれているものも多いので、選ぶ時には注意するようにしましょう。また、ソフトタイプのバターにもショートニングが含まれている事があるので、原材料を確認して生乳だけで作られているものを選ぶようにすることが大切です。

ラード

豚の脂を精製した食用油脂で、白色でクリーム状の動物性油脂です。植物油に比べて酸化しにくいので、トンカツなどの揚げ物によく利用されます。炒め物や炒飯、ラーメンのスープにも使われ、コクとうまみを生かすことが多い安心安全の飽和脂肪酸の油です。牛の脂を精製した油脂はヘット(牛脂)と呼びます。

サラダ油

一般的な調理油として利用されているサラダ油は、オメガ6系脂肪酸のひとつです。リノール酸が含まれているので、摂りすぎには注意が必要です。菜種、綿実、大豆、ごま、紅花、ひまわり、とうもろこし、米、落花生などを原料にした植物性油脂で、ドレッシングやマヨネーズ、マーガリンなどの原料、揚げ物や炒め物の調理油など幅広く使用されています。ほとんどは不飽和脂肪酸ですが、パーム油の成分は約半分が飽和脂肪酸になります。

ごま油

ごまを焙煎してから、圧搾などの加工をして作られる植物油の一種がごま油です。茶褐色で独特の香ばしい香りを持ち、中華料理や韓国料理などに主に使用されています。圧搾の方法によって伝統的な加圧による圧搾油と溶媒抽出油に分けられますが、なるべく伝統製法のもので、純正のごまだけから搾った100%ごま油のものを選ぶようにしましょう。不飽和脂肪酸でリノール酸を含んでいるため、摂りすぎないように注意しましょう。

オリーブオイル

オリーブの果実を加熱せずに果実を絞って放置しておき、分離することで作られるのがオリーブ油です。果実から遠心分離などによって直接得られた油をヴァージンオイル、その中でも特に香りが良好なものをエクストラ・ヴァージンオイルと呼びます。不飽和脂肪酸オレイン酸がメインで腸の働きを良くし便秘の予防にも役立ちますが、摂りすぎには注意しましょう。

えごま油

しそ科の1年草の植物、えごまの種子を搾って作られているものがえごま油です。不飽和脂肪酸のα-リノレン酸を豊富に含んでいる油で、体内でDHA・EPAを合成したり、血流を促す、血圧を下げるなどの働きを持っています。酸化しやすいので加熱調理には向きませんが、あえ物やドレッシングなど、非加熱調理には積極的にとり入れたい油です。

積極的に摂りたい良い油脂

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ABOUT US

aco
acoです。 セラピスト歴10年、体質改善を目的としたプライベートサロンを経営しているアラフォー女子です。 このブログでは女性の永遠のテーマである「ダイエット」や、年齢を重ねていくごとに不安になる「健康」に対して欠かすことが出来ない食事についてお届けしています。 毎日口にしている食べ物は、良くも悪くも自分の身体を作っています。今日からちょっと食事を意識して、将来薬や病院に頼らない身体つくりをしていきませんか?