- 体内での糖の働きを知る
- 血糖値が高いとどうなるか理解する
- 血糖値を上げない食事方法を知る

血糖値って糖尿病じゃなければ関係ないと思っていませんか?

ごはんをいっぱい食べた後に眠くなるのは関係しているのかにゃ?

そうですね。健康な人でも食事で糖質を摂取すれば血糖値が上昇し、しばらくすると血糖値が下がります。この上昇・降下が急激に起こることで、集中力低下や眠気、頭痛などの身体の不調を感じる様になりますよ。
三大栄養素の中でも糖質は血糖値を上げる働きをします。血糖値とは血液中のブドウ糖濃度で、糖質を過剰摂取することで、ブドウ糖が血液中にあふれるようになり、糖尿病の原因となる「高血糖」になります。血糖値が高い血液は、砂糖水のように粘り気が出て、ドロドロと流れにくくなるため、様々な身体の不調に関係してきます。
今回はそのような不調や、生活習慣病の予防として普段から意識したい血糖値を上げない食事方法をお伝えしていきます。

日本人で糖尿病になる人は7人に1人と言われていますが、糖尿病になる人は年々、急激に増え続けています。糖尿病にならないよう、普段から血糖値をコントロールしておくことが大切です。
もくじ
血糖値とは?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(血糖)の濃度を表す数値で、健康な人の血糖値は膵臓から分泌されているインスリンの働きによって、常に一定のレベルにコントロールされています。血糖値を上げるホルモンは複数ありますが、下げる働きはインスリンしかない為、膵臓からインスリンが十分に分泌されなかったり、効果が発揮されないことで、血糖値を下げる事が出来ず、高血糖の状態が続きます。
高血糖は糖尿病の危険信号
健康な人でも食事で糖質を摂取すれば血糖値は上昇し、しばらくすると血糖値が下がる様に血糖値は変動します。食事をして血糖値が上がったとしても、その数値が正常範囲におさまっていれば健康な状態を保つことが出来ます。ですが、ブドウ糖濃度がうまく調節できず、血糖値が正常の範囲よりも高い高血糖の状態が続くことで糖尿病と診断されてしまいます。
さらに高血糖は動脈硬化や心筋梗塞、狭心症、脳卒中、腎臓病、眼底出血、神経障害など様々な病気を発症させる原因になってしまいます。高血糖の状態は自覚症状がほとんどないので、気付かないうちに重症化しないよう普段から血糖値を急激に上げないよう意識しておくことが大切です。
糖は大切なエネルギー源
血糖値を上げないように「糖」を食べなければいいという事ではありません。三大栄養素の一つである糖質は身体に欠かせないエネルギー源として優先的に利用されています。糖と聞くと「砂糖」などの甘いものをイメージしがちですが、糖質はごはんやイモ類、麺類、パンといったデンプン、果物、牛乳、砂糖など様々なものに含まれています。
食事によって体内に入った炭水化物は、唾液や膵液、腸液によって、「ブドウ糖・果糖・ガラクトース」といった物質に分解され、胃や小腸で消化吸収し血液中に入り込むことで、血液内の濃度が上がり血糖が上昇した状態になります。
インスリンの働き
上昇した血糖を下げる働きをおこなうのが「インスリン」というホルモン物質です。体内にあるホルモンの中でも、血糖値を下げる事はインスリンにしかできません。高血糖になる原因は、このインスリンがうまく働けないからですが、その原因は膵臓に異常が起こりインスリンをうまく分泌出来ないか、食べ過ぎや運動不足、ストレスなどの生活習慣の乱れによってインスリンがうまく働かなくなることが考えられます。
高血糖が引き起こす病気

高血糖から糖尿病になったとしても初期の段階では自覚症状がほとんどありません。ですが、高血糖の状態が続くと、糖尿病だけでなく動脈硬化のリスクが高まります。動脈硬化とは、血管壁がもろくなった状態で、心臓や脳などに負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中といった病気を引き起こします。
高血糖の状態で動脈硬化を発症する人は、糖尿病の原因である過食や運動不足といった生活習慣の乱れによって、高血圧を併発している可能性があります。さらに、血液中の糖が増えすぎたことで、血管壁が傷つきやすくなり、その傷からLDLコレステロールが入り込み血栓をつくることで、血管を詰まらせ動脈硬化を引き起こしてしまいます。
脳梗塞
動脈硬化によって血管壁の内側に血栓ができると、血管が詰まったり狭くなったりします。この症状が脳の血管に起こることで、脳に酸素と栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう事が脳梗塞です。運動障害や言語障害、認知症などを引き起こします。
心筋梗塞
心臓の冠動脈が完全につまり、筋肉(心筋)に血液が行かなくなった状態です。冠動脈が心筋の細胞に栄養を与える働きをして心臓は動くことが出来ます。動脈硬化によって出来た血栓が、この冠動脈に完全につまった状態が心筋梗塞で、一刻も早く治療をする必要があります。
狭心症
心筋梗塞とほぼ同じ原因によって心臓の冠動脈が細くなり、血液が流れにくくなった状態が狭心症です。自覚症状には締め付け感や圧迫感のある胸痛です。
下肢閉塞性動脈硬化症
下肢に血液を送る血管が狭くなったりつまる事で、下肢の動脈に流れる血液の量が減り、必要な酸素を運べなくなってしまう症状です。冷えやしびれ、痛みがあらわれ、壊疽が起こる事もあります。
食生活を見直す

血糖値が上がりやすい原因として多いのは、食べ過ぎや不規則な食生活、メニューの偏りが考えられます。食事は毎日の事なので、食習慣が乱れていると、その積み重ねで高血糖⇒糖尿病へとつながってしまいます。食生活を改善するためにも、まずは食生活をチェックしてみましょう。
食生活チェックリスト
まずは下記のリストでチェックしてみましょう。3つ以上当てはまったら食生活の見直しが必要です。
- 食事は肉料理が中心
- 野菜・キノコ類はほとんど食べない
- 揚げ物が好き
- 麺類はスープまで飲む
- 味の濃い料理が好き
- つい間食をしてしまう
- 飲み物は清涼飲料水ばかり
- ケーキなどの洋菓子が好き
- ほぼ毎日晩酌している
- 朝食は基本的に食べない
- 夕食は夜遅い時間になってしまう事が多い
- 早食いをしてしまう
- 外食やコンビニ食、総菜などが多い