
自覚症状が無いからと、高血圧を放っておくと動脈硬化が進みます。高血圧で血管に圧力がかかり続けると、圧力に耐えるために血管壁が厚く、硬くなります。圧力によって血管の内壁が傷つき、そこからコレステロールなどが入り込む事で、血管の内側がコブのように盛り上がり、血管の内腔が狭くなることで、血流が悪くなります。このような状態は、高血圧がさらに進行し悪循環となり、もろくなった血管が破れる、何かの拍子に血管が詰まるなどが起きて深刻な病気を引き起こしてしまいます。
もくじ
腎臓病
腎臓は血液をろ過して老廃物や不要な水分を排泄する臓器です。ろ過を行う糸球体には毛細血管が集まっています。高血圧があると、この毛細血管が動脈硬化を起こし、水分や塩分の排泄に異常が起きる事で血圧が上がり、腎硬化症を引き起こします。進行すると腎不全になり人工透析が必要になります。
心臓病
高血圧は高い血圧で血液を送り出すため、心臓に負担をかけ心肥大になるほか、心臓の機能が低下することで心不全を引き起こす事もあります。また、心臓に栄養や酸素を運ぶ冠動脈で動脈硬化がおこると、狭心症や心筋梗塞になります。
糖尿病
高血圧の人は糖尿病に合併しやすいと言われています。合併すると動脈硬化の進行が速くなり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが6~7倍に跳ね上がると言われています。糖尿病は放置することで、失明や腎不全などの深刻な合併症を引き起こすため、早めの治療や予防が必要です。
閉塞性動脈硬化症
高血圧によって末梢の血管の動脈硬化が進むと、足先に血液が流れにくくなったり、血管が詰まったりする閉塞性動脈硬化症を起こします。冷えやしびれ、間欠性跛行(※歩くと足に痛みやしびれが起こり、休み休みでないと歩けない状態)が現れ、重症化すると足が壊死する事もあります。
減塩が高血圧改善のポイント

塩分(ナトリウム)は生命維持に不可欠な栄養素のひとつですが、高血圧になる人の食事は塩分過多が特徴的です。塩分摂取量が多いと、血液中に増えたナトリウムを薄めるために水分が集まり、血液量が増えて血圧を上昇させます。また、ナトリウムは交感神経を刺激する昇圧ホルモンの分泌を促すと言われています。そのため、高血圧を改善する為に「減塩」は必要不可欠な方法です。
食塩摂取量をチェックする
日本人の食事摂取基準では、1日の食塩摂取量を男性は7.5g未満、女性は6.5g未満に抑える事が望ましいとされています。1950~60年代の日本人の塩分摂取量は1日15~16%で、現在は1日9~11gと減りましたが、それでも基準値より多い傾向です。高血圧のある人は塩分摂取量を1日6g未満にすることが推奨されているので、現状の半分から3分の2程度に減らす必要があります。
ですが、日本の食習慣は伝統的に味噌や醤油、漬物などの塩分が多い食材が多くなっています。そのため、減塩をするにはまず塩分を多く含む調味料を知っておくことが大切です。調味料では食塩、味噌、醤油の他、固形スープの素や顆粒だしにも意外に多くの塩分が含まれています。また、かまぼこなどの練り製品や、明太子など魚介の塩蔵品、つくだ煮などの食品にも多くの塩分を含んでいるので注意しましょう。
減塩料理を作る5つのポイント
減塩料理を作る際に、ただ通常の半分~3分の2程度の塩分を減らせば良いというわけではありません。今回紹介するポイントをおさえて、減塩でも美味しい料理を作ることが大切です。
ポイント①加工食品を控え、新鮮な食材を選ぶ
インスタント食品や加工食品には、保存性を高めたり、食味を良くするために多くの塩分が使われています。日々の食事で加工食品を多く摂っていると、塩分量は必然的に多くなってしまいます。その為、食事はなるべく自炊を増やし、新鮮な野菜や果物、魚介、肉類、卵などを選ぶようにしましょう。特に季節の旬の食材は栄養素を豊富に含み、素材の味がしっかりしているため、薄い味付けでも美味しく食べる事が出来ます。
ポイント②調味料はきちんと計量する
料理に使う調味料はしっかりと計量する事が大切です。目分量で調理をする事で、慣れた味付けになってしまい減塩になりません。減塩料理を作り始める時は、どのくらいの分量を入れるとこのくらいの味になるという感覚をつかむようにしましょう。
ポイント③香りや辛味、酸味などを活用する
薬味や香味野菜などの香りや辛味、酸味をうまく利用することで、味覚や嗅覚が幅広く刺激され、自然と塩分量を控える事が出来ます。生姜、ニンニク、しそ、みょうが、パセリ、バジル、わさび、胡椒、唐辛子、山椒、ゴマなどをうまく調理に取り入れていきましょう。また、醤油や塩の代わりに酢やレモン、ゆず、すだちなどの酸味を効かせる方法もおススメです。
ポイント④だしを使ってうまみをアップ
和食の煮物やみそ汁は、だしを濃いめに取ることがポイントです。だしの旨味がしっかりしている事で、薄味でも美味しく食べられます。ですが、市販の顆粒だし等は塩分を多く含んでいるので、昆布や鰹節、にぼしなどの天然素材でだしを取るようにしましょう。
ポイント⑤甘みを減らし、味付けは表面に
煮物に砂糖を多く使う事で、甘みとバランスをとるために塩や醤油も多くなってしまいます。そのため、塩分だけでなく砂糖の使用量にも注意が必要です。また、煮込み料理では、味を染み込ませようとすると、塩や醤油を多く使う事になる為、薄味で煮て、最後に醤油やたれを表面にかけ、味を調整するようにしてください。ソースやドレッシングなども直接かけるのではなく、少量を皿に入れて付けるか、最初から分量を量り和えておくようにしましょう。


















最近では塩分量を減らした減塩調味料も市販されているので、うまく取り入れる事もおススメです。ですがこのような調味料は添加物が含まれているものも多いので注意が必要です。また、薄口しょうゆは色が薄いだけで、塩分は濃口しょうゆより多いので気を付けましょう。