塩分の摂り過ぎだけじゃない⁉ストレスも関係する高血圧の原因と予防方法

食品の中には、天然の降圧薬ともいえる栄養素を含むものが多くあります。減塩と併せて、うまく食品を摂取し血圧をコントロールしましょう。

塩分を排出するカリウム

カリウムは、ナトリウムとバランスをとりながら、細胞が正常に働く環境を整えています。体内にナトリウムが増えすぎるとカリウムが尿への排泄を促すことで、血圧を下げる働きをおこないます。カリウムを多く含む食品は、小松菜、ホウレン草、モロヘイヤ、にら、芽キャベツなどの野菜の他、枝豆や大豆などの豆類、サツマイモやジャガイモなどのイモ類、アーモンドなどの種実類、バナナやりんご、アボカドなどの果物に含まれています。高血圧や生活習慣病の予防のために、カリウムの目標摂取量は1日3,500㎎です。現代の日本人の平均カリウム摂取量は2000~2700㎎と言われているため、高血圧の人は特に意識して摂取するようにしましょう。

血管の収縮を抑えるマグネシウム

微量栄養素の1つである「マグネシウム」には、血管の収縮を抑えて血圧を下げる働きがあります。また、血液を固まりにくくして血栓を防ぐ代謝を良くして脂肪の燃えやすい身体をつくるといった効果もあり、生活習慣病などの予防や改善に役立ちます。マグネシウムの1日の食事摂取基準量は男性で370㎎、女性で290㎎です(※30~49歳の場合)。大豆や納豆などの大豆製品、かきや煮干しなどの魚介類、わかめやひじきなどの海藻類、玄米など未精製の穀類、アーモンドなどの種実類などの食品を積極的に増やすことで、マグネシウムを効果的に摂取出来ます。

マグネシウムに作用するカルシウム

カルシウムはマグネシウムとバランスをとって身体の働きを調整します。健康維持のためにはカルシウムとマグネシウムの割合が2:1に保たれている事が理想で、この状態だと血圧は正常に保たれ、歯や骨も丈夫になります。生活習慣病の予防のために摂りたいカルシウムの摂取量は、成人で1日650~700㎎で、小魚や青葉、大豆製品にも含まれていますが、身体への吸収率が高いのは牛乳やヨーグルトなどの乳製品です。カルシウムは身体に吸収されにくい為、マグネシウムやビタミンD、オリゴ糖など吸収率が高まるものと一緒に摂取するのがおすすめです。

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血管の老化を防ぐたんぱく質

タンパク質は皮膚や筋肉、臓器、血管など全身の細胞を構成している主成分です。たんぱく質が不足すると血管がもろくなり、血圧が高い人は脳卒中などのリスクが高まります。たんぱく質のうち、身体の中で十分に合成することのできない必須アミノ酸をバランスよく含むものが、牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類、まぐろ・さけ・いかなどの魚介類、卵、乳製品などのたんぱく質です。

肥満や高血圧があると、脂肪が気になり肉類を控える方がいますが、肉類でも脂肪の少ない部位なら問題ないので、魚と肉を組み合わせて、良質なたんぱく質をしっかり摂るようにしましょう。また、大豆や納豆、豆腐などの大豆製品も植物性のたんぱく質ですので、バランスよく食事に組み込んで摂取量を増やしてみてください。

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塩分を排出する食物繊維

食物繊維とは、食物に含まれる難消化成分の事です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、生活習慣病を予防・改善する優れた機能を持っている事が分かっています。海藻類やこんにゃく、オクラなどに多く含まれる水溶性食物繊維は、腸内で余分な脂質や糖を包み込み、体外への排出を促します。また、過剰なナトリウムを排出して血圧を下げる働きもおこないます。ゴボウなどの根菜類やイモ類、野菜などに含まれる不溶性食物繊維は、便のカサを増し腸の蠕動運動を促し便秘を改善します。水溶性・不溶性ともに重要な働きをしているためバランスよく、あわせて1日20g以上は摂るように意識しましょう。

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日常生活で血圧を下げる

日常生活の中のちょっとした行動で血圧をあげている場合があります。食事の改善と併せて、生活習慣も見直して、効果的に血圧を下げるようにしましょう。

適度な運動

今まで運動習慣が無かった人が運動を始める事で、一時的には心拍が増え越圧が上がりますが、徐々に手足などの末梢の血管が開き、血流が良くなることで血圧が下がります。特に軽い運動を継続的に行うと、心肺機能や筋力が鍛えられ、普段から血液循環が良くなるので、血管が柔軟になり血圧も正常化していきます

また、運動をする事で脂肪がエネルギーとして消費され、内臓脂肪が減少します。すると、インスリン抵抗性が改善して血圧が下がるほか、肥満や高血糖、脂質異常症などの予防や改善にもつながります。始めのうちは歩く量を増やす、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中での活動量を増やす事から始め、身体を動かすことに慣れてきたらウォーキングなどの「有酸素運動」を取り入れてみてください。

ストレスを解消する

食生活の乱れや運動不足意外に、ストレスによっても血圧が上昇する原因となります。人間の身体は激しい怒りや恐怖、不安、過労といった強いストレスを感じると、交感神経の動きが優位になって心拍数が増え、血管が収縮する為に血圧が押し上げられます。このようなストレスが慢性的に続くことで、高血圧や動脈硬化が進行します。また、ストレスを感じる事で血液は粘度が増し、固まりやすくなるため、血栓が出来てしまう事で心筋梗塞や脳卒中につながる場合もあります。

ストレス社会と言われている現代で、ストレスを完全になくすことは出来ません。ですが、ストレスが心身に大きなダメージを与える前に対策をする事は可能です。趣味をもってリフレッシュしたり、疲れを感じたら無理をせずに休む、身体を軽く動かす、家族や友人に悩みを相談するなど、まずはため込まないことが大切です。中にはストレスの解消法が暴飲暴食になっている方がいますが、健康面で悪影響が出る事は避けるようにしてください。

質の良い睡眠をとる

睡眠不足も高血圧と深くかかわりがあります。睡眠時間が5時間以下の方は、7~8時間眠っている人に比べ、約2倍発症しやすいと言われています。一般的に睡眠中は血圧が低下し、日中に傷ついた血管の修復がおこなわれますが、睡眠時間が少ないとこの様な機能が十分に働くことが出来ず、動脈硬化が進んでしまいます。その為、高血圧の改善や予防のためにも、しっかり睡眠時間を取る事はもちろん、「熟睡した」と感じられる質の良い睡眠をとる事が大切です。

また、明け方から早朝に血圧が高くなる早朝高血圧の場合、起床時に血圧が急上昇することで、脳卒中などのリスクが高まります。起床後、急に起き上がる、寒いトイレに急ぐなどの行動は、血圧を急上昇させるので注意が必要です。

喫煙習慣を見直す

タバコは、1本吸うと10~20㎜Hgほど血圧が上がり、10~20分ほど高い状態が続きます。これはニコチンによって血管が収縮するほか、血液中に一酸化炭素が増えて酸素が減り、酸素を補おうと心拍数が増えるため、1日20本以上吸うヘビースモーカーの方は、日中の血圧が高い状態が続きます。その為、高血圧を改善し血管を守るためにも禁煙する必要があります。

また、喫煙の害は血圧をあげるだけではなく、動脈硬化や脂質異常症、肥満などの合併症が進み、脳卒中や心筋梗塞のリスクも急激に高めます。さらにタバコのタールには40種以上の発がん性物質が含まれているので、喫煙者本人だけでなく、受動喫煙により周りの人の健康にも悪影響を及ぼします。

寒暖差に気を付ける

冬場は、他の季節にくらべて血圧が高くなりがちです。気温が低く寒い日は、身体が体温を保つために末梢の血管を収縮させるので、血圧が上がりやすくなります。また、汗をかきにくくなり、ナトリウムの排泄量が減る事も血圧をあげる要因になります。

特に危険なのは、暖かい場所から急に寒い場所に出た時で、寒冷刺激によって交感神経が緊張し、血圧が急上昇します。寒いトイレや脱衣所、浴室などで脳卒中や心筋梗塞が多発するのはこのためで、朝に布団から出る時や屋外に出る時も同様のリスクがある為注意が必要です。

この様なリスクを減らし、血圧を安定させるためには、10度以上の温度差を感じないように、衣類や環境で調整する事が大切です。家の中では暖房の効いた室内と、老化やトイレ、洗面所や脱衣場などとで温度差ができやすいので、小型のヒーターなどを利用して寒暖差をなくすようにしましょう。

aco

冬だけでなく、夏の冷房がガンガンに効いた部屋と屋外の寒暖差に注意が必要です。また、暑いと汗をかいて脱水が進み、血液中の水分が減って粘度が高まる事で血栓ができやすくなりますので、こまめに水分補給をして脱水症状にならないように気を付けましょう。

まとめ

このブログのまとめ
  • 高血圧は自覚症状がないが、放っておくと様々な病気の原因になるので注意が必要
  • 高血圧の改善や予防のために、普段から減塩料理を心がける
  • 減塩料理はだしや薬味などをうまく使う事で薄味でも美味しくなる
  • ミネラルや食物繊維など血圧を下げるための食品を積極的に摂取する
  • 食事改善と併せて運動や生活習慣の改善も心がける

いかがでしたか?

自分の血圧を知るのは健康診断の時だけで、あまり意識したことがある人は少ないかもしれません。ですが普段から、濃い味付けのものが好きだったり、外食が多い、ストレスを感じやすく暴飲暴食してしまうなど、血圧が上がりやすい生活を送っている方は、普段から血圧を上げないように意識しておくことも大切です。

aco

普段から外食が多い人は、塩分や糖分が少ないメニューを選ぶようにしましょう。ラーメンや丼ものなどは味付けが濃いものが多いので、和定食など主菜や副菜、小鉢などで野菜や海藻、豆類なども一緒に摂取できるように意識してみてください。

茶々

ランチは刺身定食など、味付けが濃くないおかずを選ぶようにするにゃ♡

aco

そうですね。外食だけでなく、コンビニ弁当やお惣菜なども味付けが濃いものが多いので注意して選ぶようにしましょう。

高血圧の人は甘いものの摂り過ぎにも注意が必要です。お菓子や飲料に含まれる砂糖は、体内で吸収されると血糖値を急上昇させ、糖尿病や動脈硬化の原因にもなってしまいます。清涼飲料水だけでなく、缶コーヒーや野菜ジュースなどにも多くの砂糖が含まれているので、普段から飲み物は水やお茶を選ぶように心がけましょう。

aco

ケーキなどの洋菓子やチョコやクッキーなどの甘いお菓子だけでなく、スナック菓子やおせんべいなども塩分や糖分を含んでいるので、どうしても食べたい時は少量にしてくださいね。

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aco
acoです。 セラピスト歴10年、体質改善を目的としたプライベートサロンを経営しているアラフォー女子です。 このブログでは女性の永遠のテーマである「ダイエット」や、年齢を重ねていくごとに不安になる「健康」に対して欠かすことが出来ない食事についてお届けしています。 毎日口にしている食べ物は、良くも悪くも自分の身体を作っています。今日からちょっと食事を意識して、将来薬や病院に頼らない身体つくりをしていきませんか?