栄養素やうまみなどの成分は、特定の酵素の働きによって生成、あるいは変化します。酵素は一度失活してしまうとよみがえる事はありません。その為、身体に取り入れたい酵素の場合は、加熱温度に気を付ける必要があります。
ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」
スルフォラファンは抗酸化作用の他、抗がん作用がありますが、スルフォラファンを活性化するミロシナーゼという酵素は75度以上になると失活しはじめます。ブロッコリーの他に、ブロッコリースプラウト、キャベツ、ケールなどアブラナ科の野菜に含まれています。
白菜に含まれる「GABA」
GABA(アミノ酸の一種)は、γ-アミノ酪酸とも呼ばれる機能成分です。疲労回復やストレス軽減に役立つほか、睡眠の質を向上させるなどの効果が期待できます。GABAはグルタミン脱炭酸酵素の働きで生成されますが、この酵素は55度前後で活性化すると言われています。白菜の他、ミニトマトやなす、ジャガイモなどにも含まれています。
さつまいもに含まれる「でんぷん」
デンプンは酵素の働きで麦芽糖に変化することで甘みになります。この酵素は60~70度で活性化し、90度以上になると失活する事が分かっています。サツマイモは70度で低温蒸しをした後に2次加熱で高温にすることで甘味を出すことが出来ます。
まいたけに含まれる「グアニル酸」
きのこ類での中ではうまみ成分(グアニル酸)が少ないまいたけですが、グアニル酸をつくる酵素と壊す酵素をもっています。この2種類の酵素の働きをうまくコントロールすることで、うま味が各段にアップします。グアニル酸をつくる酵素は70度で失活、壊す酵素は60度で失活するので60~70度で加熱するのがポイントです。
組み合わせで吸収率を上げる
野菜のもつチカラをさらに高めるために、吸収率を上げる材料や調味料を組み合わせる事も大切です。例えばビタミンには水溶性と脂溶性がありますが、脂溶性ビタミンの場合、油脂に溶け込んでいないと吸収されにくく、その油脂の状態によっても吸収率は変わります。

脂溶性ビタミン
ビタミンA・D・E・Kの脂溶性ビタミンは油脂に溶け込ませて吸収する必要があります。油脂は油だけでなく、ゴマやアーモンド、油揚げやチーズなど食材の油脂分を利用する事も出来ます。また、一つの料理の中だけでなく、揚げ物などの付け合わせとしても同じ効果を得る事ができます。
カルシウム
カルシウムは特に吸収されにくいミネラルで「CaBP(カルシウム結合たんぱく質)」という特別なたんぱく質を結合することで腸管から吸収されます。効率よく吸収するには、「カルシウムを小腸で吸収されやすい形に変える」事と、「小腸の吸収力を促す成分を一緒に摂る」事の2つがあります。
カルシウムを小腸で吸収されやすい形に変えるには、酢やレモンなど酸味のあるもの、さけやぶりなどに含まれるビタミンD、玉ねぎやキャベツに含まれるオリゴ糖などと組み合わせることで効果が期待できます。また、小腸の吸収率を促す成分には、牛乳などの乳製品に含まれるカゼインホスホペプチドや乳糖、大豆に含まれる大豆ペプチドや大豆オリゴ糖などがあります。
鉄
野菜に多く含まれている非ヘム鉄は、水に溶けにくい性質を持つため、効率よく吸収するには工夫が必要です。一つはクエン酸や果実酸などの酢酸を一緒に摂る事、もう一つはブロッコリーやジャガイモ、れもんなどのビタミンCを一緒に摂る事です。有機酸やビタミンCは、鉄が身体に吸収される反応を促進します。
あわせて、魚介類や肉類、卵、大豆製品などの良質なたんぱく質も吸収率を高める食材です。たんぱく質は血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素なので、しっかり積極的に摂るように心がけてください。
まとめ

- 野菜や果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維、ファイトケミカルは体内で作ることが出来ない為、食事から摂取する必要がある
- 野菜や果物がもつ3つのチカラによって健康な身体作りができる
- 含まれる栄養価は栽培方法によって変わる為、なるべく自然に育てられたものを選ぶ
- 野菜を保存するときは、なるべく育った環境に近い状態にする
- 食べる部位や下ごしらえ、調理法によって摂取できる栄養素が変わる
いかがでしたか?
野菜や果物を健康の為に食べるのであれば、なるべく多くの栄養素を摂取したいですよね。その為にはまず、それぞれの食材がどのような特徴や栄養素を持っているか理解しておくことが重要です。また、皮や芯など今まで捨てていた部位には多くの栄養素が含まれているので、美味しく食べれるように調理方法を工夫してみてください。

安全に皮ごと食べるためにも、どのように育てられていたかも重要です。農薬まみれのものではなく、なるべく自然に育ったものを選んでくださいね。

最近は都会に住んでいても、通販や直売のお店で有機野菜も手に入れやすくなったので、なるべく栄養価の高い野菜を選ぶようにするにゃ♡

そうですね。あとは野菜や果物はそれぞれに含まれている栄養素が違うので、色々な種類を食べるように意識してみてください。















カルシウムや鉄のように吸収されにくい栄養素は、同時に吸収を妨げる食品を多量に摂ってしまうとあまり意味がありません。加工食品やスナック菓子に含まれるリン酸や緑茶やウーロン茶などに含まれるタンニンは一緒に摂らないようにしましょう。